― 国際関係学について ―
「国際関係学」とはどんな学問ですか?その特徴と性格は?
. もともと国際関係学(論)は両大戦間期に戦争を批判し、平和を守っていくために、近隣諸国との協調関係を維持することを目指し、生まれてきた学問です。以後その基本的な性格は変わりませんが、グローバル化の今日にあって、平和・開発・人権等の諸領域においてよりいっそう緻密になってきています。ヒト・モノ・金・情報等が自由に流通するグローバル社会において対立・紛争を解決するためにますます重視されてきているのが特徴だといえるでしょう。
本研究室では以上の点に加えて、考察のベースとして、内発性(内発的発展論)と国際協力との関連性を重要視しています。研究方法は、文献・資(史)料の読解を中心としながらも、各自独自のフィールド(対象領域)を設定し、具体的に調査なども行っています。
― 担当教員のプロフィール ―
1. これまでに先生はどんな研究を行ってこられましたか?また現在の研究テーマは?
. 私の専門領域としては、広くは先進国と発展途上国との格差の問題、いわゆる「南北問題」を研究してまいりましたが、中でも具体的には、フランスと旧植民地マグレブ三国(アルジェリア、チュニジア、モロッコ)との政治的・歴史的関係を考察してきました。(なお、マグレブとは ” 日の没する地域 ” を意味するアラビア語です。)特に、マグレブの脱植民地化過程等ですが、「民衆運動と政治体制の変容」などの視点から地域研究として行っています。
2. 先生は本学でどんな授業を担当されておられますか?
. 専門は先に述べたマグレブ地域研究ですが、その基盤となる科目を担当しています。まず、共通(教養)科目では「国際関係論」、学部専門基礎科目として「国際協力論」、「国際開発論」、大学院(修士)では「地域共生特論」を持っていますが、来年時以降( 2012 年度以降)、「国際関係論」に代わり「国際平和論」を、そして地域共生特論に代わり「国際関係学特論」を担当することになっています。
3. ゼミへの参加等先生と連絡を取るにはどうしたらいいですか。
. 相談のためのアポイントメントはtsukasaw@cc.tuat.ac.jp までメールをして下さい。相談して会う日時を決めましょう。
― ゼミの内容・これまでの成果について ―
1. 各自で行う研究のために、参考までにこれまでどんな論文テーマ(卒業論文、修士論文等)が挙げられますか?
. 本ゼミでは基本的には、(日本との関わりにおける)外国研究が多く挙げられます。実際には以下のようなテーマがあります。
・「バングラデシュと開発援助」
・「タンザニア(東アフリカ)における開発と自然エネルギー」
・「福祉国家スウェーデンの批判的研究」
・「日中関係史とその問題点」
・「中国の環境汚染」等
2. ゼミの開催のテンポなどはいかがですか?
. 原則的には、毎週 1 回、国際関係学関連の本や論文(相談して決める)の輪読、各自研究発表等を組み合わせて行います。日程の確定等は参加者全員で相談して決めたいと思います。論文発表会や論文提出日が迫っている時には、マンツーマンで指導しますので、頑張ってください。
3. ゼミの卒業生はどんなところへ就職していますか?
. 大学院に進学する人、自分の研究が生かせる職種(生協へ就職など)に就いたり、また、留学生等は就職活動中の人などみな多様ですが、いずれにしてもあきらめないで、就職活動をする必要があるでしょう。